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病気について

睡眠時無呼吸症候群

睡眠時無呼吸症候群(SAS)とは

私たちの睡眠を妨げる要因のひとつとして最近注目されている病気に、睡眠時無呼吸症候群があります。
文字どおり、眠っているときに無呼吸状態になる病気で、SAS (Sleep Apnea Syndrome)とも呼ばれています。 無呼吸状態とは、呼吸が10秒以上止まっていることを指し、この状態が7時間に30回以上、あるいは1時間あたり5回以上あると睡眠時無呼吸症候群(SAS)となります。


SASになる原因

睡眠時無呼吸症候群(SAS)を発症するおもな原因にはつぎのようなものがあります。

  • 太っていてあごや首に脂肪がついている
  • アデノイドなどの病気により、扁桃が肥大している
  • 花粉症やアレルギーなどで、鼻が詰まりやすい
  • アゴが小さい
  • アルコールの摂取により筋肉がゆるんで、のどがふさがりやすくなる
太り気味の人

SASが招く損失

合併症 SASによる睡眠中の低酸素血症や高炭酸ガス血症は、肥満、高血圧、高脂血症、糖尿病などの生活習慣病と密接な関係があり、様々な合併症を高率に引き起こすことが報告されています。
合併症は多岐にわたり、高血圧、多血症、不整脈、虚血性心疾患、心不全、脳血管障害、糖尿病、肺高血圧症、インポテンツなどが代表的なものとして上げられます。
米国の調査では、健常人と比べSAS患者さんでは高血圧は2倍、虚血性心疾患は3倍、脳血管疾患は4倍、糖尿病は1.5倍発症する可能性が高いと報告されています。

1.Nieto FJ,Young TB,Lind BK.JAMA 2000;283:1829-1836
2.Mooe T, Rabben T, Wiklund U.Chest 1996;109:569-663
3.Bassetti C, Aldrich MS.Sleep 1999;22:217-223
4.Punjabi NM, Shahar E, Redline S.Am J Epidemiol 2004;160:521-530


いねむり運転 近年、SASが関連する交通事故や居眠り運転が原因の交通事故がマスコミ等でも多く取り上げられています。 中等度以上のSAS患者さんの場合、交通事故を起こす頻度はSASでない人に比べて7倍も高くなるとの報告があり、とくに重度SAS患者で有意に事故率が高いことが報告されています〔1,2〕。

身近なところでも、作業中の過度の眠気や居眠りによって機械に体を挟まれて大怪我をしたり、最悪の場合死亡するといった可能性も十分にあります。
また、眠気や居眠りによって作業効率や生産効率は極端に低下しますので、企業や社会に与える経済損失は決して少なくありません。

1.Findley,L,J.et al.:Am.Rev.Respir. Dis.,138:337-340,1998.
2.Findley,L,J.et al.:New Engl.J.Med.,320:868-869,1980

SASに見られる症状

睡眠時無呼吸症候群(SAS)にかかると、じゅうぶんに眠れないことが原因となってさまざまな症状が現れるようになります。あなたはつぎのような症状に心当たりありませんか?

眠っているとき・・・

日中、起きているとき・・・

SASの検査方法

簡易PSG

簡易PSG(スクリーニング)

日中の過度の眠気や睡眠中に大きなイビキを指摘され、外来を受診した場合、まず簡単な問診を行います。代表的なものに『ESS眠気テスト』があります。他にも睡眠障害に関する生活習慣病等の診察を行って、さらに睡眠呼吸障害の検査の必要性を認めた場合、簡易型検査装置によるスクリーニング検査を行います。

多くは鼻口気流、気管音、SpO2を記録するものですが、呼吸運動や体動、心電図など測定できる項目が多い装置もあります。 簡易型検査装置でSASである可能性が高いと判断された場合、さらに詳しい終夜睡眠ポリグラフ(PSG)を行い、睡眠中の低酸素状態や脳波による覚醒状態、鼻口気流の途絶・再開、胸腹部の呼吸運動などからSASの状態を詳しく判定します。

PSG(確定診断)

睡眠時無呼吸症候群(SAS)を確定するためには、ポリソムノグラフィー(Polysomnography:PSG)という検査があります。 これは医療機関に泊りがけで行う検査法で、頭や顔、体の必要な部位にテープで電極を貼りつけ、実際に一晩眠りながら脳波や呼吸、眼球、筋肉の動きなどを記録し、睡眠の状態について調べるものです。 この結果を解析し、正常な睡眠の経過と比較することで、睡眠時無呼吸症候群(SAS)の診断を行います。

SASの治療方法

睡眠時無呼吸症候群(SAS)には、つぎのような治療を行います。

睡眠時無呼吸症候群(SAS)が軽症の場合は、減量や生活習慣だけで症状が改善することもあります。
しかしある程度症状が進んでしまった患者さんは、ひどい眠気のために気力が低下し、 減量や生活習慣改善にもなかなか前向きにとりくむことができません。
こうした患者さんには、CPAPと呼ばれる装置を使った治療が適しています。

合併症
CPAP(シーパップ)

スクリーニング検査でAHI40以上、または確定診断でAHI20以上で保険診療でのCPAP治療が適用となります。CPAPとは、鼻に装着したマスクから空気を送りこむことによって、ある一定の圧力を気道にかける方法です。Continuous Positive Airway Pressureの頭文字をとってCPAP(シーパップ)と呼ばれ、いまや睡眠時無呼吸症候群(SAS)のもっとも重要な治療法となっています。

SASについてもっと詳しく知りたい方へ

SAS.NET 睡眠時無呼吸症候群(SAS)に関する情報サイトです。
睡眠時無呼吸症候群の基礎知識や検査方法のご紹介の他、検査・治療のできる医療機関の検索や睡眠時無呼吸症候群の簡単なセルフチェックなどもできます。
https://www.kaimin-life.jp/

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